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原作本を全て読んで「劇場版 響け!ユーフォニアム」を観に行きました

  最終更新日:2016/08/30

劇場版 響け!ユーフォニアム

 既存の原作本を全て読んで、「劇場版 響け!ユーフォニアム」を観に行きました。個人的には昨年一番良かったアニメ作品です。映画館の良い音響で演奏を聴きたいと昨年から楽しみにしていました。

 本記事はアニメ第1期を視聴していることを前提に書いているのでご注意下さい。2期以降のキャラクターなどについて触れていますが、致命的なネタバレは特にありません。

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あらすじ

 主人公の黄前久美子が北宇治高校吹奏楽部に入部し、吹奏楽コンクール京都大会に臨むまでを描いています。テレビで1期を見た方はご存知の通り、本作は1期の総集編です。

 「どうせ総集編だろ」と敬遠して映画館に足を運ぶまでもないと思った人も多かった事と思われます。そう思われて観客動員数が減ることを『響け!』制作委員会も危ぶんだのか、特典付き前売り券がなんと7種類も発売されていました。しかも、前売り券の種類によってはランダムで特典が付くため、全部欲しい人はかなりの金額を費やしたものと思われます。

 また、週ごと(4週間)で入場者プレゼントが異なっています。映画館のショップで本作のグッズ販売もしていましたが、軒並み千円超えでした。最近のアニメはお金がかかるなと思いました。

 ついでに書いておくと、映画の半券をハガキに貼って送ると抽選でプレゼントがあたるキャンペーンをやっています。A賞は好きなキャラクターを色紙に描いてくれるそうです。

感想

 全く不満が無かったわけではないのですが、星5つ評価の星5つです。ただし、音が良い環境ならばと言う条件付きです。条件が整わなければ、星3つか4つぐらいです。今後、本作をレンタルやBS/CSなどで視聴する人もいるとおもいますが、普通にテレビで見るのでは本当の感動は得られないと思います。吹奏楽部の演奏パートにかなり力を入れている印象なので、可能な限り良い音が聴こえる環境で視聴して欲しいです。

 映画冒頭はストーリーを超圧縮したような展開でした。黄前 久美子と加藤 葉月が出会うシーンは、葉月がいきなり「久美子」と呼び捨てにするシーンから始まるし、ストーリーの展開に不要と思われるシーンはとにかくバッサリカットでした。存在自体を消されたキャラクターもいました。久美子の幼なじみの3年生の斎藤 葵と久美子の姉はいないことになっていました。葵は途中で退部するし、姉はストーリーにほとんど絡まないので仕方のないことだとは思いますが。

 冒頭はかなり駆け足の印象でしたが、吹奏楽部が本気で全国を目指すことを決意してからの展開は、それほど違和感は感じませんでした。

 単なる総集編ではなく、新規カットがかなり細かく入れられているようです。私がはっきりと気付いた箇所は多くないですが、テレビで使われていた部分でも顔のアップや場面切り替えなどで新規カットが入っているようでした。

 大幅に追加されていた新規カットは、やはり演奏シーンです。サンライズフェスティバルのライディーンの演奏はフルコーラスでした。サントラで何度も聴いていたので、各キャラクターが最後まで動いているのは良かったです。

 2期で重要なキャラクターになる鎧塚 みぞれが声付きで登場していました。1期でも一応登場していますが、声付きは本作が初めてです。2期への布石と言うことで、効果的な登場だったと思います。声優は種﨑敦美ではないかと言われています。スタッフロールでは「吹奏楽部員」としての記載しかありませんが、そのトップに名前が載っているので間違いないでしょう。映画と関係ないですが、鎧塚みぞれの1期のまとめ動画を紹介しておきます(【ニコニコ動画】【響け!ユーフォニアム】鎧塚みぞれ まとめ)。

 演技に関しては今回全て新録です。テレビの時とは演技がなんか違うなと感じましたが、テレビでは1話で山場があるように構成していたのを劇場版では1本の軸を通すように抑揚を抑えているそうです。

 一番良かったのはもちろん演奏です。映画館の良い音響で聴けたのは最高でした。しかし、やり直しのトランペットソロオーディションの高坂 麗奈の演奏が、私が行った映画館のスピーカーがいまいちだったのか、音が若干ひずんで聴こえました。音で気になったのはそこだけです。

 ストーリーに関しては1期の総集編なので、こんなものかと言う感じでしたが、自分は演奏を良い音響で聴くことが主目的だったので、全体としては満足でした。

 しかし、1期を見ずにいきなり映画を観た人は、ストーリーは駆け足だし、キャラクターの掘り下げは不十分だしと不満を感じるかもしれません。そんな人は改めて1期を見てねと言うことでしょう。

パンフレット

劇場版 響け!ユーフォニアム パンフレット

劇場版 響け!ユーフォニアム パンフレット

 価格は税込み千円、サイズは横長のA4サイズ(210×297mm)です。全ページカラーです。表紙は見開きで久美子と麗奈が向かい合うような絵柄になっています。

 内容は、キャラクター紹介と声優コメントが同一ページに掲載、更にキャラクターの絵に声優のサインが入っています。声優コメントのあったキャラクターを掲載順に紹介します。

  • 黄前 久美子(声:黒沢ともよ)
  • 高坂 麗奈(声:安済知佳)
  • 加藤 葉月(声:朝井彩加)
  • 川島 緑輝(声:豊田萌絵)
    • ここまで1人1ページ、以降は2人で1ページ
  • 田中 あすか(声:寿美菜子)
  • 小笠原 晴香(声:早見沙織)
  • 中世古 香織(声:茅原実里)
  • 塚本 秀一(声:石谷春貴)
  • 後藤 卓也(声:津田健次郎)
  • 長瀬 梨子(声:小堀幸)
  • 中川 夏紀(声:藤村鼓乃美)
  • 吉川 優子(声:山岡ゆり)
  • 滝 昇(声:櫻井孝宏)

 違和感があったのが、中世古 香織と塚本 秀一が同じページに載っていたことです。香織の後ろに秀一が立っているのは不自然に感じました。香織が3年生であぶれ、秀一が1年生であぶれて仕方なかったんだとは思いますが……。

 その他に、美術として吹奏楽部のデザイン、吹奏楽部全メンバー紹介、スタッフ座談会(監督:石原立也×キャラクターデザイン:池田晶子×シリーズ演出:山田尚子)、スタッフコメントが掲載されています。少し高いのですがファンだったら買いの内容だと思います。

アニメ2期への期待

 2016年10月からの2期は関西大会に向けての話で、2年生が中心の話になるはずです。個人的には、デカリボン先輩こと吉川 優子の活躍に期待です。彼女は1期では嫌われ役でしたが、原作小説を読んだ後では印象が変わりました。おそらく、彼女の精神的な成長も見ることが出来るのではないでしょうか。

 原作小説は、本編3冊、短編小説を集めた1冊を含めた4冊が発売されています。1期は最初の1巻の内容をじっくりと描きました。1期と同じペースだと、残りの本編2冊の内容を1クール13話では時間が足りないように思えます。出来れば2期、3期と長めに描いて欲しいところです。

 原作は非常に綺麗な形で終わっているので、小説の続編はもう無いのかなと思っています。続いて欲しい気持ちもあるのですが、続きを書くのは難しいでしょうね。これは読めば分かります。

題名のない音楽会

 2期が始まる前にテレビ朝日の「題名のない音楽会」で響け!ユーフォニアムの演奏が聴けます(「世界で愛されているアニメミュージックの音楽会」)。2016年5月8日放送の番組でユーフォニアムのトッププレーヤーである外囿 祥一郎さんのソロ演奏があるようです。ソロと言うことは何を演奏するんですかね。楽しみに待ちます。

2016年5月8日追記)主題歌のDREAM SOLISTERをオーケストラをバックに外囿 祥一郎さんが主に主旋律を演奏されていました。しかし、プロのオーケストラで三日月の舞が聴きたかったです。

 せっかくなので、演奏された曲目の一覧を紹介します。

  • 「ウィーアー!」(ONE PIECE)(1999年)
  • 「創聖のアクエリオン」(創聖のアクエリオン)(2005年)
  • 「DREAM SOLISTER」(響け!ユーフォニアム)(2015年)
  • 「はなまるぴっぴはよいこだけ」(おそ松さん)(2015年)
  • 「紅蓮の弓矢」(進撃の巨人)(2013年)
  • 「コネクト」(魔法少女まどか☆マギカ)(2011年)

 多分消されると思いますが、Youtubeの動画を貼っておきます。