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原作全巻再読して 映画「サクラダリセット 後篇」を観に行きました

 

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サクラダリセット 後篇

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実は映画の結末は破綻している

 ここからは完全にネタバレになります。

 映画のラストで浅井ケイは浦地正宗に対し、誰も犠牲にせず咲良田市の能力を維持する方法を提案します。ケイの提案した内容は以下の通りです。

  1. 浦地の両親の能力を坂上央介のコピー能力を使って第三者にコピーする
  2. 能力をコピーされた第三者は咲良田市から能力の知識が漏れないように能力を使う
  3. 能力を使用中の第三者を加賀谷がロックする
  4. ロックされた第三者は能力を使った状態で固定され、浦地の両親は解放される
  5. 以降は第三者を交代制にすることで咲良田市の能力を維持する

 なんだか文章にすると難しくなってしまいましたが、要するに浦地の両親が使用していた能力を交代制で使用すると言う内容です。

 映画を見終わった直後は納得していたのですが、よく考えると色々と破綻していることに気付きました。

 まず、坂上のコピー能力は孫コピーできるかどうかが分かっていません。能力を使った状態でロックしている第三者から別の第三者にコピーできるか分かりません。そんな事を今まで試す機会はありませんでしたからね。つまり、オリジナルの能力者からしかコピーできないとするとこの方法は破綻します。浦地の両親にずっと生きていてもらわないといけないので駄目です。

 孫コピーが出来たとしても、坂上と加賀屋のどちらか一方が死んでしまったら交代制が破綻します。そこは相麻菫の未来視の能力で回避は可能かもしれませんが、寿命が来ればいずれ破綻します。

 原作だと実にうまく誰も犠牲にならずに解決できていたのに、野ノ尾盛夏と言うキャラクターを映画では削ったがために発生した問題点です。

 もうひとつ、浦地が春埼をケイに出会う前の状態に戻してしまうシーンがありましたが、原作ではその後に岡絵里にリセット能力を奪うように指示を出していました。映画ではその指示を出していないので、浦地のミスはそれも加える必要があります。多分、間延びするので映画では削られたのだと思います。

 原作は、登場人物と設定が過不足なく盛り込まれ、何一つ破綻することなく結末を迎えた稀有な作品です。1巻の時点で登場人物の来歴や咲良田市の歴史まで固めてあったからこそ出来たことだと思います。アニメ版では原作から削っている要素はほとんど無いようなので、映画に不満を持たれた方はぜひアニメ版をご覧下さい。