*

省電力PC向けおすすめハードウェア構成

  最終更新日:2018/03/11

Pocket

省電力PCおすすめハードウェア構成 2018

 省電力PC向けのおすすめハードウェア構成を紹介します。

スポンサーリンク

省電力PC

 この記事で言う「省電力PC」とは、消費電力が常時100W未満のPCのことです。性能を求めなければ、50W未満も可能です。

 100W未満を実現するため、ビデオカードは搭載できません。そのため、最新の3Dゲームを遊ぶ用途には向いていません。

 この記事におけるPCの使用用途は、メールやブラウザ、文書作成などの普段使いのPCから24時間稼働のサーバーまでを想定しています。

 まず最初にPCの構成要素について説明します。PCを自作する場合、最低限以下のパーツが必要になります。

  • PCケース
  • 電源
  • CPU
  • メモリ
  • マザーボード
  • HDDもしくはSSD

 冒頭に書いた通り、消費電力を抑えるため、外付けのビデオカードは使用しません。ビデオカードの機能は、CPUに統合されたビデオチップ(GPU)の機能を使用します。DVD、BDなどの光学ドライブも外付けのものがあれば十分でしょう。

 これらを個別に購入しても良いですし、ベアボーンキットなど複数のパーツが組み立てられた状態のものを購入する手もあります。

 以降、それぞれのパーツと具体的なハードウェア構成について説明していきます。

 なお、マザーボードとPCケースのサイズは、コンパクトであまり邪魔にならないサイズのMini ITXを基準に考えました。

PCパーツ

 省電力PCを作るために全てのパーツを購入する場合、まず決めないといけないのはCPUです。省電力を決定付けるのはCPUの消費電力と言っても過言ではありません。また、どれくらいの演算性能が必要なのかも考える必要があります。

 次に決めるべきはCPUを載せるマザーボードとPCケースです。PCケースはPCの顔となる部分であり、組み立てやすさ、拡張性などにも影響を与えます。いずれにしろ、この2つはセットで考えたほうが良いでしょう。

CPU

 2018年03月10日現在、CPUの状況は目まぐるしく変わろうとしています。2017年3月にAMDからRyzenが発売されて以降、IntelはCore iシリーズのコア数を増やすなど新しい製品を次々に発売しています。

 この記事では最新の高性能なCPUではなく、省電力なCPUに限定して紹介します。

 ここで紹介するのは、IntelのCeleron、Pentium、Core iシリーズの型番の末尾がTの省電力モデルと通常モデルのi3、AMDのAPUです。基本的な構成のPCで消費電力がぎりぎり100Wを超えるか超えないかの範囲で選びました。

 以下の表で新品で購入可能なAMDとIntelの代表的な省電力なCPUのベンチマーク結果と2018年03月10日現在の最安値をまとめました。CPU名のリンク先は各CPUの仕様ページです。最安値のリンク先はAmazonの商品ページです。なお、必ずしも最安値=Amazon価格ではないのでご注意下さい。

CPU Clock Core
(Thread)
TDP Cinebench PassMark 最安値
Celeron G3900 2.80GHz 2(2) 51W 213(119) 3042(1623) \3,980
Celeron G3920 2.90GHz 2(2) 51W 220(123) 3412(1757) \5,226
Celeron G3930 2.90GHz 2(2) 51W 220(123) 3072(1670) \4,058
Celeron G3950 3.00GHz 2(2) 51W 228(127) 3334(1745) \6,459
Pentium G4400 3.30GHz 2(2) 54W 251(140) 3578(1880) \5,651
Pentium G4500 3.50GHz 2(2) 51W 266(149) 4026(2022) \7,560
Pentium G4520 3.60GHz 2(2) 51W 274(153) 4195(2078) \10,348
Pentium G4560 3.50GHz 2(4) 54W 382(151) 4901(1986) \6,437
Pentium G4600 3.60GHz 2(4) 51W 392(155) 5134(2066) \9,464
Pentium G4620 3.70GHz 2(4) 51W 403(159) 5263(2128) \11,200
Core i3 6100T 3.20GHz 2(4) 35W 339(131) 4838(1816) \15,018
Core i3 6300T 3.30GHz 2(4) 35W 350(135) 5236(1895) \17,480
Core i3 7100T 3.40GHz 2(4) 35W 371(146) 5054(1919) \14,780
Core i3 7300T 3.50GHz 2(4) 35W 382(151) 5366(1921) \17,980
Core i5 7400T 2.40GHz 4(4) 35W 476(128) 6574(1700) \21,483
Core i5 7500T 2.70GHz 4(4) 35W 528(141) 7165(1871) \23,639
Core i5 7600T 2.80GHz 4(4) 35W 593(157) 8163(2120) \25,979
Core i7 7700T 2.90GHz 4(8) 35W 805(168) 9189(2048) \36,158
Core i3 6100 3.70GHz 2(4) 51W 392(152) 5493(2108) \13,774
Core i3 6300 3.80GHz 2(4) 51W 403(156) 5853(2167) \16,819
Core i3 6320 3.90GHz 2(4) 51W 413(160) 6043(2236) \19,800
Core i3 7100 3.90GHz 2(4) 51W 425(168) 5824(2231) \13,160
Core i3 7300 4.00GHz 2(4) 51W 436(172) 6437(2319) \17,111
Core i3 7320 4.10GHz 2(4) 51W 447(176) 6543(2389) \15,098
A10-9700E 3.00GHz 4(4) 35W 270(82) 4775(1565) \9,720
A12-9800E 3.10GHz 4(4) 35W 281(85) 5077(1618) \12,275
Ryzen 3 2200G 3.50GHz 4(4) 65W 576(142) 7414(1832) \12,999
Ryzen 5 2400G 3.60GHz 4(8) 65W 826(156) 9400(1942) \20,269

 ベンチマーク結果はCinebench R15とPassMarkのものです。マルチコアとシングルコアの結果で、括弧の中がシングルコアのものです。数値が高いほど高性能なことを意味します。

 表には消費電力の目安としてTDPも記載しました。TDP(Thermal Design Power)は熱設計電力、最大動作時のCPUの熱量を意味します。TDP=消費電力ではありませんが、参考にはなります。

 表で見ただけではそれぞれの性能を把握しづらいので、ベンチマーク結果をグラフにしてみました。前面の棒グラフがシングルコア、背面がマルチコアの結果になります。

Cinebench R15 - CPUベンチマーク

Cinebench R15 - CPUベンチマーク


PassMark - CPUベンチマーク

PassMark - CPUベンチマーク

 Cinebench R15とPassMarkでは評価基準が異なるため、それぞれで結果が異なっています。特にAMDのCPUが影響を受けています。

 グラフから読み取れることは次の通りです。

  • Pentium G4560以降とCore i3/Tの性能がほとんど変わらない
  • マルチコアの結果と比較するとシングルコアの結果にあまり差が無い
  • Ryzen APUはCore i5/T、i7/Tと遜色ない性能

 以上の結果を踏まえて、AMDとIntelの省エネなCPUについて説明します。

 なお、一般的なCPUの選び方については本ブログで「自作PCのCPUの選び方 - コストパフォーマンスの観点で考える」と言う記事を書いています。よろしければ、そちらも参考にしてみて下さい。

AMDのおすすめCPU

 AMDのおすすめのCPUはRyzen 3 2200Gです。Ryzen 5 2400Gと比較するとコストパフォーマンスはこちらの方が高いです。

 このCPUはいわゆるAPUと言われる製品です。CPUとGPUが統合されており、ビデオカードは別途必要ありません。

 GPUの性能はGeforce GT1030相当なので、Minecraft、ドラクエX、ファイナルファンタジーXIVなど少し古いゲームを遊ぶのであれば十分な性能と言えます。

 ただし、Ryzen APUを最高出力で動かすとPCの消費電力が100Wを超えてしまう可能性があります。そのため、本記事の趣旨から外れてしまうのですが、Ryzen APUはcTDP(Configurable TDP)の設定変更により消費電力を抑えることが可能です。

 cTDPはAMDのみの機能で、BIOS(UEFI)側でCPUの動作クロックや電圧を制御することでTDPを変更可能にしています。動作クロックや電圧を手動で個別に変更することは可能ですが、自動で行ってくれるcTDPは安全で便利です。

 最近の仮想通貨マイニングブームのおかげでビデオカードの価格も高騰しています。安価なゲーミングPCを自作する場合のCPUとしては、Ryzen APUは最高のCPUと言えます。

IntelのおすすめCPU

 Intelの省電力のおすすめのCPUはCeleron G3930とPentium G4560です。CeleronとPentiumのコストパフォーマンスが一番良いものをそれぞれ選びました。


 先程のグラフの解説でも説明した通り、シングルコア性能にほとんど差はないので、メールや動画を見たりと言った使い方ならばCeleronでも十分です。アプリを多く起動したり、多少性能が欲しいならばPentiumのほうをおすすめします。

 Core i3の末尾がTのモデル(以降Core i3/T)はPentiumと性能にほぼ差がないので、よほど消費電力が気になる場合を除いておすすめしません。PentiumとCore i3/Tの差額を電気代で元を取るには数年程度では難しいです。

 あえてCore i3/Tを選ぶ場合、ACアダプタ電源を使う場合ぐらいでしょうか。いずれにせよ、Tモデルを選ぶ場合、性能的にはCore i5以上を選ぶことをおすすめします。もしくは、消費電力が少し高くなりますが通常版のCore i3を買うのも手です。

 なお、Celeron G3930とPentium G4560も最新のCoffee Lake世代のひとつ前のKaby Lakeの製品です。Coffee Lake世代のCeleronとPentiumは、2018年の2月頃に発売されるようです。ただし、安価なチップセット(B360、H370、H310)を使ったマザーボードが発売されるのは春頃になるようです(情報源は海外の記事)。

 それまで待つのも手ですが、Core iシリーズのようにCoffee Lake世代でコア数とスレッド数が増えるようなことはなく、クロック周波数が少し上がる程度なので、今すぐ自作したい場合は待つ必要はないと思います。

 参考までに今漏れている情報をまとめておくと、Coffee Lake世代のCeleronとPentiumのスペックは次の通りです(2C/2Tは2コア/2スレッドの意味、最後のMBはキャッシュ)。ちなみにパソコン工房に誤って掲載されていた仕様です。

  • Celeron G4900 2C/2T 3.1GHz 2MB
  • Celeron G4920 2C/2T 3.1GHz 2MB
  • Pentium G5400 2C/4T 3.7GHz 4MB
  • Pentium G5500 2C/4T 3.8GHz 4MB
  • Pentium G5600 2C/4T 3.9GHz 4MB

 現行のKaby Lake世代のスペックは次の通りです。

  • Celeron G3930 2C/2T 2.9GHz 2MB
  • Celeron G3950 2C/2T 3.0GHz 2MB
  • Pentium G4560 2C/4T 3.5GHz 3MB
  • Pentium G4600 2C/4T 3.6GHz 3MB
  • Pentium G4620 2C/4T 3.7GHz 3MB

 プロセスルールも変わりますが、その影響を考慮したとしても多少の性能アップに落ち着くと思います。

マザーボード

AMDのおすすめマザーボード

 AMDのおすすめマザーボードを紹介します。本当はMini-ITXのマザーボードを紹介したかったのですが、あまり良い製品が無かったため、ひと回り大きいMicro ATXの製品を紹介します。

 ひとつ目は、ASUS製の約7千円の安価なマザーボードです。少し古めのマザーボードですが、ASUSがBIOSのバージョンアップを続け、DDR4-3200まで対応しています。

 次に紹介するマザーボードもASUS製のものです。

 TUF B350M-PLUSはDDR4 3200MHzまで対応しており、ユーザーからの評判も良かったPRIME B350-PLUSのMicro ATX版とでも言える製品です。

 予算が許すのであれば、TUF B350M-PLUSをおすすめします。

 紹介したマザーボードの詳細は以下のページでご確認下さい。

 紹介したマザーボード対応のおすすめメモリは次の通りです。

マザーボード DDR4-2133
(DIMM)
DDR4-2400
(DIMM)
DDR4-2666
(DIMM)
DDR4-2933
(DIMM)
DDR4-3200
(DIMM)
ASUS PRIME A320M-K
ASUS TUF B350M-PLUS
種類 製品名
DDR4-2133(DIMM) Silicon Power DDR4-2133(DIMM) 4GB×2枚 SP008GBLFU213N22DA
DDR4-2400(DIMM) CFD DDR4-2400(DIMM) 4GB×2枚 W4U2400PS-4G
DDR4-2666(DIMM) UMAX DDR4-2666(DIMM) 4GB×2枚 DCDDR4-2666-8GB HS
DDR4-3200(DIMM) G.Skill DDR4-3200(DIMM) 4GB×2枚 F4-3200C16D-8GVKB

 よほどメモリを消費するアプリケーションを使う事がない限り、メモリサイズは8GBもあれば十分です。以降でも全て8GBのメモリを紹介します。ただし、デュアルチャネルにするとメモリの転送速度が向上するため、4GB×2枚を購入するのが良いでしょう。

 なお、Ryzen APUはDDR4 2933MHzまで対応していますが、DDR4 2933MHzはほとんど市場に出回っていないため、実際にはDDR4 3000MHzまたは3200MHzを購入することになると思います。当然のことながら2666MHzの製品よりも値段が上がります。

 Ryzen APUは高速なメモリにすればGPUの処理速度がかなり向上しますが、元々安価なCPUなので、必要以上にメモリに値段をかけるのも本末転倒のように思います。

Intelのおすすめマザーボード

 ここで紹介するマザーボードはKaby Lake世代までに対応した製品です。今回紹介したIntelのCPUの全てに対応していますが、Coffee Lake世代以降には対応していません。


 Intel製CPUのLGA1151ソケットに対応するマザーボードでおすすめは上の2つです。MSI H110M-ITXはチップセットH110、ASUS ROG STRIX B250I GAMINGはチップセットB250を搭載しています。どちらもDDR4メモリ対応の製品です。

 ASRock H110M-ITXは安価な製品です。将来的に構成変更や機能拡張などの予定がない場合、こちらをおすすめします。

 ASUS ROG STRIX B250I GAMINGはM.2スロットが2つあり、追加でSSDなどを搭載できるなどの拡張性が高いです。無線LANとBluetoothも標準搭載で1万4千円程度なのでお買い得です。ゲーミングマザーなので、一般的なマザーボードよりも耐久性などが多少向上していると思われます。

 それぞれのマザーボードの詳細は以下のページでご確認下さい。

 搭載できるメモリの種類はマザーボードによって変わります。紹介したマザーボード対応のおすすめメモリは次の通りです。

マザーボード DDR4-2133
(DIMM)
DDR4-2400
(DIMM)
ASRock H110M-ITX
ASUS ROG STRIX B250I GAMING
種類 製品名
DDR4-2133(DIMM) Silicon Power DDR4-2133(DIMM) 4GB×2枚 SP008GBLFU213N22DA
DDR4-2400(DIMM) CFD DDR4-2400(DIMM) 4GB×2枚 W4U2400PS-4G

PCケース

 最初にMini ITXのケースをいくつか選んでみました。例外はあるものの、5インチベイがない製品が多いです。そのため、基本的に光学ドライブは外付けにする必要があります。


 オーソドックスなキューブタイプのPCケースです。どちらも3.5インチシャドーベイが3個もあります。また、Elite 130のみ5インチベイがあります。どちらもSFX電源だけでなくATX電源も使用できるのが特徴のひとつです。

 かなり細形のケースですが、こちらもコンパクトでおすすめです。

 こちらはカラフルなキューブタイプのPCケースです。赤、緑、青、金、銀、白、黒の7色が選べるのが良い点です。このケースの1世代前のもので私は自作しています。詳細は「Celeron J1900でACアダプタ電源の録画サーバ用PCを作成しました」の記事をご覧下さい。

 次にMicro ATXサイズのPCケースを紹介します。Mini-ITXよりもひと回り大きいサイズです。

 静音性にやや難ありのようですが、シンプルで飽きのこないデザインです。

 こちらはATXサイズなので、更にひと回り大きいサイズです。ただし、ATXにしては小さいのが特長です。

 ここまでで紹介したケースのサイズの情報をまとめました。

製品名 幅×高さ×奥行き
Elite 130 Cube 240×205×377.5 mm
Elite 110 Cube 280×208×260 mm
SilverStone SST-ML06B 350×99×205 mm
RAIJINTEK METIS PLUS 190×254×277 mm
Fractal Design FD-CA-CORE-1100-BL 175×358×410mm
SilverStone SST-PS13B 182×426×400mm

電源

 自作PCのパーツの中である意味最も重要なパーツが電源です。電源が安定供給されることでパーツが壊れにくくなるためです。

 最低限、80PLUS認証電源を選びましょう。グレードが高いものを選ぶほど消費電力が下がるので、省エネのためにも重要です。しかし、グレードが高くなるほど値段も高くなるため、電源にある程度こだわる場合、GOLD認証品を選ぶのが良いと思います。

 PC自作初心者の方に電源のワット数についてここで簡単に説明します。例えば400Wの電源は常に400W消費する訳ではありません。PCの電源は水道の貯水タンクのようなものと考えて下さい。50W必要な時は50W消費するだけです。

 なお、電源はその電源の動作を維持するためにも電力を消費します。そのため、大きな電源のほうが同じPC構成でも全体の消費電力は多くなります。例えば、省電力PCを作るのに900W電源など論外です。軽自動車にバスのエンジンを載せるようなものと考えれば想像出来ると思います。

 今回は省エネPCと言うことで、電源容量は300Wから450Wの範囲で選んでみました。

 まず最初に紹介するのはATX電源のThermaltake TR2 450W V2 GOLDです。Mini-ITXのケースでは搭載できないのでご注意下さい。450WのGOLD認証の電源としては安価な電源です。

 次に紹介する電源もGOLD認証の450Wの商品です。SeasonicはPC用電源としては評判のメーカーです。

 続いてSFX電源を紹介します。Mini-ITX対応のPCケースでは通常SFX電源を使用します。SFX電源はATX電源よりひと回り小型です。

 玄人志向のプラグイン式のKRPW-SXP400W/90+です。こちらはGOLD認証の400Wの商品です。プラグイン式は必要なケーブルのみを接続できるので、内部の配線がすっきりし、PCケース内の空気の流れも良くなります。

 SilverStoneのSST-ST30SF、こちらは55度に達するまではファンレスモードで動作します。静音にこだわる場合におすすめです。こちらはBRONZE認証の300W電源です。ちなみに、300WクラスだとBRONZE認証以下の製品しかありません。

 それぞれの電源の詳細は以下のページでご確認下さい。

SSD

 予算に余裕があれば起動ドライブをSSDにすることをおすすめします。

 SSDのNAND型フラッシュメモリの種類によって良し悪しが言われていますが、個人的にはあまり気にしなくて良いと思っています。人によってはSLCが良くてTLCが駄目だと言う意見もあります(一般的にはSLC > MLC > TLCの順で良いと言う意見が多い)。

 しかし、一番重要なのは読み書きのアルゴリズム、つまりソフトウェアの問題です。日進月歩でアルゴリズムも進化しているので、種類にこだわるよりもできるだけ新しい製品を購入することのほうが重要だと考えます。とは言え、怪しげなメーカーから買うことはおすすめできませんが。

 Windowsの場合、100GB以上あったほうが良いでしょう。

 Linuxでサーバを構築する場合、起動ドライブは小さめの32GBのもので十分です。録画サーバやファイルサーバを作る場合、OSをSSD、ファイル保存をHDDに完全に分けておけば、容量不足になっても交換が容易です。小さいSSDならばOSのバックアップが容易なのも利点です。

ハードディスク

 3.5インチのハードディスクはWestern Digital製のものをおすすめします。

 普通のデスクトップPCとして使うのであれば、こちらのWD Blueがおすすめです。HDDは最近安くなってきているので、4TBでも良いかもしれません。

 24時間稼働するのであれば、こちらのWD Redがおすすめです。私自身こちらの製品を録画サーバで2年以上使用していますが、特に問題は発生していません。

 2.5インチでは、選択肢として普通のHDDとハイブリッドHDD(別名:SSHD)の2つがあります。ここではあえてハイブリッドHDDをおすすめします。

 2.5インチHDDの場合、3.5インチと比較して読み書きが遅いのが欠点ですが、こちらであればSSD並の速度で読み書きできるのが利点です。しかし、普通のHDDと比較して高価なのが欠点です。

ベアボーンキット

 次に紹介するのはベアボーンキットです。ベアボーンとは、PCケース、電源、マザーボードがセットになった製品です。PC自作初心者向けの製品でもあります。

 最初に紹介するのはShuttleのXH270です。電源は120WのACアダプタです。TDP65Wまで対応しているので、Core i7 7700まで載せることが可能です。

 欠点は、薄型なのでPCI Expressスロットもなく、ビデオカードが挿せない点です。

 利点は、2.5インチのドライブベイが4つある点です。M.2スロットにSSDを載せれば、Intel OptaneメモリーによりHDDの高速化も可能です。また、HDMI出力が3つもあり、マルチディスプレイ環境を簡単に作ることが出来ます。

 次に紹介する製品もShuttleのSZ270R8です。こちらはTDP91WのCore i7 7700Kまで対応しています。キューブ型でPCI Express x16とx4のスロットが1つずつあります。5インチベイはありませんが、3.5インチベイが4つあるので、かなり拡張性があります。

 オーバークロック対応品としてSZ270R9も発売されています。価格がSZ270R8とほぼ同じなので、オーバークロックに興味のある人にはこちらの方が良いかもしれません。

 こちらは少し変わったベアボーンキットです。Mini-STX規格で、Mini-ITXよりもひと回り小さいサイズです。大きさは一般的なATX電源とほぼ同じです。より分かりやすいサイズで説明すると、厚さ8cmのDVDボックスぐらいと書くとその小ささが分かると思います。こちらは120WのACアダプタ電源です。Intel LGA1151対応でCore i7 7700まで使用可能です。

 ただし、こちらの製品もケースが小さいため、2.5インチのSSD/HDDしか搭載できず、PCI Expressスロットもありません。拡張性はかなり犠牲になっていますが、極小PCを作りたい人にとっては、CPUを交換できることは大きなメリットです。とりあえずCeleronで組んで、将来的にCore iシリーズにグレードアップなどの運用方法が考えられます。また、2.5インチドライブが2台搭載可能なので、起動用にSSD、ファイル保存用にHDDといった構成も可能です。

 DeskMini 110は上のような無線LANカードを内蔵し、アンテナを装着することも可能です。

 ベアボーンキットのサイズと電源の情報をまとめました。

製品名 幅×高さ×奥行き 電源
Shuttle XH270 200×72×240 mm 120W ACアダプタ
Shuttle SZ270R8 216×332×198 mm 500W(80 PLUS SILVER)
ASRock DeskMini 110 80x155x155 mm 120W ACアダプタ

 それぞれのベアボーンキットの詳細は以下のページでご確認下さい。

 この構成で、その他に必要なパーツは次の3つになります。

  • CPU
  • メモリ
  • HDDもしくはSSD

 紹介したベアボーンキット対応のおすすめメモリは次の通りです。

ベアボーン DDR4-2133
(DIMM)
DDR4-2400
(DIMM)
DDR4-2133
(SO-DIMM)
DDR4-2400
(SO-DIMM)
Shuttle SZ270R8
Shuttle XH270
ASRock DeskMini 110
種類 製品名
DDR4-2133(DIMM) Silicon Power DDR4-2133(DIMM) 4GB×2枚 SP008GBLFU213N22DA
DDR4-2400(DIMM) CFD DDR4-2400(DIMM) 4GB×2枚 W4U2400PS-4G
DDR4-2133(SO-DIMM) UMAX DDR4-2133(SO-DIMM) 4GB×2枚 CA-DCSOD4-2133-8GB
DDR4-2400(SO-DIMM) CFD DDR4-2400(SO-DIMM) 4GB×2枚 W4N2400BMS-4G

組み立てガイド

 Amazonに無料の組み立てガイドがあるので紹介します。こちらは20ページと短いPDFファイルですが、意外と濃い内容です。

 CPU、メモリの取り付け方から始まり、CPUクーラー、マザーボードケーブルの接続などを写真の図解入りで説明しています。Core i7-7700K、Geforce GTX 1070、M.2対応SSDを搭載する本格的なPC構成の内容です。

 PC自作初心者から久しぶりに組む方におすすめの1冊です。

パーツ組み合わせ例

 今まで紹介したパーツで様々なパターンの自作例を考えてみました。自作例の表に各パーツの価格を掲載しています。これは、2018年03月10日時点のネット通販の最安値とAmazonの商品価格を基準にしたものです。各パーツ名をクリックすると、Amazonのリンク先に飛ぶようになっています。掲載価格よりもAmazon価格が高い場合、他のサイトで購入したほうが良いかもしれません。

 最安品のみをネット通販でばらばらに購入すると、一部のパーツがなかなか届かず、組み立て始めるまでに時間がかかってしまう事があります。そのため、出来るだけまとめて同じ店舗で注文したほうが良いでしょう。また、事前に在庫があることを確認してから注文しましょう。

全パーツ購入:Ryzen APUで作る価格を抑えたPC

CPU Ryzen 3 2200G \12,999
マザー ASUS PRIME A320M-K \6,980
メモリー DDR4-2666(DIMM) \11,769
HDD WD Blue 3TB \7,319
PCケース Silver Stone SST-PS13B \5,450
電源 Thermaltake TR2 450W V2 GOLD \6,680
合計 \51,197

 全てのパーツを自分で購入して組み立てる作例のその1です。Ryzen APUで価格を抑えた構成にしてみました。

全パーツ購入:Ryzen APUで作る将来性を考えたPC

CPU Ryzen 3 2200G \12,999
マザー ASUS TUF B350M-PLUS \11,210
メモリー DDR4-3200(DIMM) \14,800
HDD WD Blue 3TB \7,319
PCケース Silver Stone SST-PS13B \5,450
電源 Seasonic SSR-450RMS \9,817
合計 \61,595

 全てのパーツを自分で購入して組み立てる作例のその2です。マザーボードとメモリーを将来に渡って使用可能な構成にしてみました。電源にもこだわっています。

全パーツ購入:Celeronで作る価格を抑えたPC

CPU Celeron G3930 \4,058
マザー ASRock H110M-ITX \8,542
メモリー DDR4-2133(DIMM) \10,780
HDD WD Blue 3TB \7,319
PCケース Elite 130 Cube \6,476
電源 SilverStone SST-ST30SF V2 \5,240
合計 \42,415

 全てのパーツを自分で購入して組み立てる作例のその3です。Celeron G3930を選択しました。将来的にCPUをアップグレードしても良いでしょう。

全パーツ購入:Core i5/Tで作るPC

CPU Core i5 7600T \25,979
マザー ASUS ROG STRIX B250I GAMING \13,053
メモリー DDR4-2400(DIMM) \10,526
HDD WD Red 3TB \11,482
PCケース Elite 130 Cube \6,476
電源 玄人志向 KRPW-SXP400W/90+ \7,464
合計 \74,980

 全てのパーツを自分で購入して組み立てる作例のその4です。Core i5 7600Tを選択しました。性能と品質にこだわった構成です。

全パーツ購入:24時間稼働を重視したPC

CPU Pentium G4560 \6,437
マザー ASUS ROG STRIX B250I GAMING \13,053
メモリー DDR4-2400(DIMM) \10,526
HDD WD Red 3TB \11,482
PCケース Elite 130 Cube \6,476
電源 玄人志向 KRPW-SXP400W/90+ \7,464
合計 \55,438

 全てのパーツを自分で購入して組み立てる作例のその5です。24時間稼働のサーバでの使用を想定しています。電源やハードディスクに安定性を追求してみました。

Mini-ITXの薄型ベアボーンキットPC

ベアボーン Shuttle XH270 \29,970
CPU Pentium G4560 \6,437
メモリー DDR4-2400(SO-DIMM) \10,800
HDD WD Blue 3TB \7,319
電源 ベアボーン付属
合計 \54,526

 ベアボーンキットを使った作例 その1です。PCケースや電源を別々に購入するよりもベアボーンキットの価格が高い分、総額に響いています。しかし、組み立ては楽です。

Mini-ITXのキューブ型ベアボーンキットPC

ベアボーン Shuttle SZ270R8 \41,799
CPU Core i3 7320 \15,098
メモリー DDR4-2400(SO-DIMM) \10,800
HDD WD Blue 3TB \7,319
電源 ベアボーン付属
合計 \75,016

 ベアボーンキットを使った作例 その2です。電源容量に余裕があるため、総額に響きますがCPUはCore i3にしてみました。キューブ型は高価なため、薄型と比べて総額も高くなります。

Mini-STXの小さいベアボーンキットPC

ベアボーン ASRock DeskMini 110 \14,161
CPU Pentium G4560 \6,437
メモリー DDR4-2400(SO-DIMM) \10,800
HDD Seagate SSHD 2TB \10,780
電源 ベアボーン付属
合計 \42,178

 ベアボーンキットのDeskMini 110を使った作例です。HDDはハイブリッドHDDを採用しました。PCI Expressカードは使用できないものの、デスクトップCPUが使用できる極小PCは魅力です。

まとめ

 ここまでのパーツ組み合わせ例の総額をまとめました。

組み合わせ例 CPU 総額
全パーツ購入:Ryzen APUで作る価格を抑えたPC Ryzen 3 2200G \51,197
全パーツ購入:Ryzen APUで作る将来性を考えたPC Ryzen 3 2200G \61,595
全パーツ購入:Celeronで作る価格を抑えたPC Celeron G3930 \42,415
全パーツ購入:Core i5/Tで作るPC Core i5 7600T \74,980
全パーツ購入:24時間稼働を重視したPC Pentium G4560 \55,438
Mini-ITXの薄型ベアボーンキットPC Pentium G4560 \54,526
Mini-ITXのキューブ型ベアボーンキットPC Core i3 7320 \75,016
Mini-STXの小さいベアボーンキットPC Pentium G4560 \42,178

 紹介した作例の総額は、4万円代から7万円代まで、かなり価格差があることが分かります。欲しい性能、予算の都合でパーツ構成を考えてみて下さい。

 Windowsをインストールする場合、当然そちらも購入する必要があります。本ブログで「Windows 10の正規品を一番安く買えるのはどこ?」と言う記事を書きました。よろしければそちらもご覧下さい。

 しかし、この記事を最初に書いたのは2016年6月なのですが、メモリーの価格が非常に高くなったと言う印象です。あの頃はDDR3 8Gが4千円で買えたのに……。どうも2019年ぐらいまでメモリー価格は上がり続けるらしいので、自作したい方はお早めに。