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自作PCのCPUの選び方 - コストパフォーマンスの観点で考える

  最終更新日:2017/12/12

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CPUの選び方

 PCを自作する時にどのCPUを選ぶか、誰しも悩むことと思います。コストパフォーマンスの観点でCPUの選び方を考えてみました。

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CPUのコストパフォーマンスとは?

 「CPUのコストパフォーマンス」とは、価格に対する性能の評価、つまり費用対効果としてどれぐらいの性能が得られるかを評価することです。

 値段が安くて高性能だと「コストパフォーマンスが良い」、逆に高くて性能が低いと「コストパフォーマンスが悪い」と言われます。高いCPUは大抵性能も高いですが、出来れば高性能なCPUを安く買いたいものです。

 しかし、ここで悩みます。さて、CPUのコストパフォーマンスをどう評価すれば良いのでしょうか。

 まず、CPUの性能はベンチマークソフトで分かります。ここでは代表的なベンチマークソフトとしてPassmarkCinebench R15のCPUベンチマーク結果を紹介します。以下でグラフにしてみました。前面の棒グラフがシングルコア、背面がマルチコアの結果になります。

PassMark - CPUベンチマーク結果

PassMark - CPUベンチマーク結果


Cinebench R15 - CPUベンチマーク結果

Cinebench R15 - CPUベンチマーク結果

 Core iシリーズは、6000番台のSkylake(2015年~2017年)、7000番台のKaby Lake(2016年~)までは少しずつしか性能アップしていないのに、8000番台のCoffee Lake(2017年~)で大きく性能アップしていることが分かります。

 これはコア数とスレッド数がCoffee Lakeで増えた影響です(Core i7では4から6に増加)。シングルコアの性能があまり上がっていない事からもそれが分かります。

 RyzenはCore iシリーズと比較してシングルコアの結果が低いことが分かります。その点をコア数の多さで補っているとも言えます(Core i7 7700のコア数4に対して、Ryzen 1700は8)。

 次に2017年12月12日時点の各CPUのネット最安値を元にコストパフォーマンスを計算します。計算式は以下を使用します。

  • (CPUのコストパフォーマンス) = (ベンチマークの結果) ÷ (最安値) × 1000

 最後に1000倍した理由は、そのままだと小数点以下の数値になるためです。この計算で分かることは、各CPUの1000円分のベンチマーク結果です。つまり、1000円分でどれだけの性能を発揮できるのかが分かります。

 この計算式で求めた値が高いほど「CPUのコストパフォーマンス」が高いことになります。

 計算の前に価格.comの2017年12月12日時点の各CPUの最安値をグラフ化したものが以下になります。なお、記事の最後に各CPUのベンチマーク結果と最安値をまとめた表を掲載しています。

CPUの最安値(2017年12月12日)

CPUの最安値(2017年12月12日)

 さて、縦軸に「ベンチマーク結果」、横軸に「CPUのコストパフォーマンス」を取ってグラフ(散布図)を描いてみます。

PassMark基準によるコストパフォーマンス比較

PassMark基準によるコストパフォーマンス比較


Cinebench R15基準によるコストパフォーマンス比較

Cinebench R15基準によるコストパフォーマンス比較

 縦軸を上に行くほど性能が高く、横軸を右に行くほどコストパフォーマンスが良くなります。従って、グラフの右上に行くほど性能が高くコストパフォーマンスの良いCPUと言うことになります。

 なお、それぞれの点が何のCPUかひと目で分からないので、グラフの画像をクリックして拡大すると分かるようにしています。

 このグラフから読み取れることは次の通りです。

  • PassMarkとCinebenchでグラフの傾向が異なる
  • Cinebenchではコア数が多いCPUのコストパフォーマンスが高い傾向
    • Coffee Lake世代のCore i7とRyzen 7が特にその傾向が強い
  • PassMarkでは逆にコア数が多い方がコストパフォーマンスが低い傾向
  • Core iシリーズとの比較ではRyzenの方がコストパフォーマンスが良い
  • Ryzenの中ではRyzen 5が最もコストパフォーマンスが良い
  • Celeron、Pentiumのコストパフォーマンスはおおむね良いが性能は低い
  • Core iシリーズは世代が新しくなるごとにコストパフォーマンスが良くなっている
    • 6000番台、7000番台と上がるに連れて向上している(クリック後の画像参照)

 以上の結果を元におすすめのCPUを以降で紹介します。

コストパフォーマンス的におすすめのCPU

 先程紹介した散布図を元に種類ごとにコストパフォーマンスの高いCPUを選んでみます。以下の図で赤丸を付けてみました。

PassMark基準による高コストパフォーマンスCPUの選択

PassMark基準による高コストパフォーマンスCPUの選択


Cinebench R15基準による高コストパフォーマンスCPUの選択

Cinebench R15基準による高コストパフォーマンスCPUの選択

 先程書いた通り、右上に行くほど高性能でコストパフォーマンスが良いCPUです。もう少し論理的に言うとグラフの対角線の右下半分の三角形の範囲に入る(もしくはそれに近い)ことが「コストパフォーマンスの良さ」の1つの条件になります。

 その条件を元に各種類ごとにコストパフォーマンスが良いほうに赤丸で印を付けたのが上の散布図です。各番号に対応するCPUは次の通りです。Core i7とRyzen 7は両方の散布図で三角形の範囲から外れているため除外しています。

  1. Celeron G3930
  2. Pentium G4560
  3. Core i3 8100
  4. Core i5 8400
  5. Ryzen 5 1500X
  6. Ryzen 5 1600

 PassmarkとCinebenchで結果が異なるため、Ryzen 5を2つ選ぶ結果になっています。Celeronは丸の中に2つ入っていますが、ベンチマーク結果の高い方を選択しています。

 以降でもう少し掘り下げて説明します。ただし、コア数やクロック周波数などの細かなカタログスペックについてはこの記事で説明しません。

 この記事を読まれている皆さんが気にされているのは、最終的に自作したPCが体感的に速いか遅いかの違いだと思います。そのため、以降で説明するのは主に体感的なことになります。

Celeron、Pentium


 先程選んだCeleronとPentiumは、Celeron G3930とPentium G4560です。

名前 最安値 Passmark Cinebench
☆Celeron G3930 \4,130 3076
(1666)
220
(123)
☆Pentium G4560 \7,209 4926
(1985)
384
(151)
Core i3 6100 \12,790 5492
(2108)
392
(152)

 表は最安値と各ベンチマーク結果(上段がマルチコア、下段の括弧がシングルコア)です。コストパフォーマンスの比較対象としてCore i3 6100も参考に入れました。

 このクラスのCPUは、ブラウザやメール、動画を見たり、Microsoft Officeを使うなどの用途に向いています。当然ですが、重いアプリや最新のゲームを遊ぶのには向いていません。

 消費電力が低いので、小規模なサーバーを作るのにも向いています。

 ゲームには向かないと書きましたが、上の動画を見るとPentium G4560とGeForce 1060の組み合わせで、そこそこのフレームレートで遊べてしまうようです。とりあえず遊べれば良いと言う方には、安価なゲーミングPCの構成としては有りだと思います。

Core iシリーズ


 Core iシリーズから選んだのはCore i3 8100とCore i5 8400です。性能比較のため、表にはCore i5 6600Kも加えました。

名前 最安値 Passmark Cinebench
☆Core i3 8100 \14,229 8253
(2099)
566
(153)
☆Core i5 8400 \23,470 11701
(2274)
1006
(178)
Core i5 6600K \27,148 8031
(2149)
600
(166)

 Core i3クラスのCPUは昔から性能的に中途半端な位置付けでした。ゲーム用途としては不十分で普段使いのPCとしてはPentiumやCeleron程度の性能があれば十分だからです。

 しかし、上の表を見てもらえれば分かる通り、Core i3 8100は2世代前のCore i5 6600Kに匹敵する性能になっています。これならゲーム用途としても使えます。

 上の動画を見ると、GeForce 1060との組み合わせで一通りのゲームがそれなりに動いています。ただし、快適に最新のゲームを遊び続けるにはGeForce 1070以上との組み合わせでないと厳しい気がします。

 Corei i5 8400とGeForce 1060との組み合わせは上の動画が参考になります。しかし、この組み合わせで快適にゲームを遊ぶには、ゲームにもよりますが解像度1080pが限界かなと思います。CPUの購入価格を抑える意味でCore i5を選択し、GeForce 1080などビデオカードに費やすのもひとつの手です。

 かなりゲームよりの説明になってしまいましたが、Core iシリーズはビデオカードなしでも自作できるので、安価に高性能なPCを組みたい方向けには、Core i3 8100とCore i5 8400はおすすめのCPUです。

Ryzen


名前 最安値 Passmark Cinebench
☆Ryzen 5 1500X \19,258 10446
(1868)
809
(154)
☆Ryzen 5 1600 \22,980 12335
(1831)
1094
(147)
Core i5 8400 \23,470 11701
(2274)
1006
(178)

 RyzenはPassmarkとCinebenchの結果が異なっていたため、Ryzen 5 1500Xと1600の2つを選びました。しかし、ここでは1600のほうをおすすめします。1600のほうがコア数が多いためです(1500Xの4個に対して6個)。

 Ryzenが発売開始された2017年3月時点のCore iシリーズは2世代前のSkylakeでした。RyzenとSkylakeの性能を比較するとRyzenは安価で圧倒的に高性能だったため、自作ユーザーの間でも驚きを持って迎えられました。

 しかし、Core iシリーズの現世代であるCoffee Lakeが発売された今となっては、価格も性能でもその優位性は失われつつあります。ですが、マザーボードとセットで考えるとまだまだRyzenのほうが圧倒的にコストパフォーマンスは優れています。

 Ryzen用のマザーボードは6千円から購入できるのに対し、Coffee Lake用はチップセットが最高位のZ370しか無いため1万5千円以上します(下位のチップセットは2018年2月以降出荷の見込み)。そのため、Ryzenのほうが安価にPCを組むことができます。ビデオカードのほうにお金をかけたい場合、Ryzenをおすすめします。

 Ryzenの弱点はシングルコアの性能が低い点です。その弱点をコア数とスレッド数の多さで補っています。逆に言うとアプリが多く起動するような、スレッドが多く動く環境ではその性能を発揮します。マルチスレッドに対応したゲームはもちろんの事、動画のエンコードやブラウザで多くのタブを開くなどの場合にも適しています。

まとめ

 ここまで紹介したCPUについてまとめます。

CPU まとめ
Celeron G3930 ・ブラウザ、メール、文書作成など普段使いのPC向き
Pentium G4560 ・Celeronと同じく普段使いのPC向き
・動けば良い程度であれば、GeForce 1060搭載でゲーム用途も可
・省電力なので小規模サーバー向き
Core i3 8100 ・ゲーム用途も可
・快適に遊び続けるにはGeForce 1070以上が欲しい
Core i5 8400 ・GeForce 1060でも解像度1080pまでなら快適にゲーム可
・ビデオカード無しの高性能なPC向き
Ryzen 5 1500X ・身も蓋もないが、Ryzen 5 1600の方をおすすめ
Ryzen 5 1600 ・マザーボード込みだと紹介したCPUではコストパフォーマンス最高
・シングルコア性能が弱いのが弱点
・スレッド数が多く動く環境では性能を発揮

 本当はクロック周波数やコア数、スレッド数、TDPなど細かい点まで挙げて説明するべきだったかもしれません。しかし、結局のところ用途に応じて快適に使えるかどうかが最終的に大事な点なので、それらの細かい要素は省略しました。

 今後も新しいCPUが発売されるごとに記事を更新する予定です。

おまけ

CPUの簡易仕様、ベンチマーク結果、最安値の一覧表

 2017年12月12日現在の本記事で取り上げた全CPUの簡易仕様、ベンチマーク結果、最安値を一覧表にまとめました。

 CPU名のリンク先は各CPUの仕様ページです。最安値のリンク先はAmazonの商品ページです。なお、最安値=Amazon価格ではないのでご注意下さい。

CPU Clock Core
(Thread)
TDP PassMark Cinebench 最安値
Celeron G3900 2.80GHz 2(2) 51W 3059(1623) 213(119) \4,090
Celeron G3920 2.90GHz 2(2) 51W 3412(1757) 220(123) \5,160
Celeron G3930 2.90GHz 2(2) 51W 3076(1666) 220(123) \4,130
Celeron G3950 3.00GHz 2(2) 51W 3334(1745) 228(127) \5,980
Pentium G4400 3.30GHz 2(2) 54W 3579(1879) 251(140) \5,780
Pentium G4500 3.50GHz 2(2) 51W 3794(1962) 266(149) \7,590
Pentium G4520 3.60GHz 2(2) 51W 4195(2078) 274(153) \10,348
Pentium G4560 3.50GHz 2(4) 54W 4926(1985) 382(151) \7,209
Pentium G4600 3.60GHz 2(4) 51W 5141(2052) 392(155) \9,698
Pentium G4620 3.70GHz 2(4) 51W 5280(2129) 403(159) \11,047
Core i3 6100 3.70GHz 2(4) 51W 5492(2108) 392(152) \13,778
Core i3 6300 3.80GHz 2(4) 51W 5849(2168) 403(156) \19,188
Core i3 6320 3.90GHz 2(4) 51W 6054(2243) 413(160) \21,384
Core i3 7100 3.90GHz 2(4) 51W 5845(2230) 425(168) \13,160
Core i3 7300 4.00GHz 2(4) 51W 6455(2326) 436(172) \14,018
Core i3 7320 4.10GHz 2(4) 51W 6582(2388) 447(176) \15,098
Core i3 7350K 4.20GHz 2(4) 60W 6714(2473) 458(181) \15,098
Core i3 8100 3.60GHz 4(4) 65W 8253(2099) 566(153) \14,229
Core i3 8350K 4.00GHz 4(4) 91W 9649(2405) 669(175) \21,979
Core i5 6400 2.70GHz 4(4) 65W 6746(1830) 497(140) \21,600
Core i5 6500 3.20GHz 4(4) 65W 7226(1947) 565(153) \23,287
Core i5 6600 3.30GHz 4(4) 65W 7746(2096) 597(166) \25,650
Core i5 6600K 3.50GHz 4(4) 91W 8031(2149) 600(166) \27,148
Core i5 7400 3.00GHz 4(4) 65W 7408(1954) 564(149) \20,800
Core i5 7500 3.40GHz 4(4) 65W 8091(2117) 617(162) \22,449
Core i5 7600 3.50GHz 4(4) 65W 8897(2311) 666(175) \24,969
Core i5 7600K 3.80GHz 4(4) 91W 9186(2385) 688(179) \25,733
Core i5 8400 2.80GHz 6(6) 65W 11701(2274) 1006(178) \23,470
Core i5 8600K 3.60GHz 6(6) 95W 12866(2530) 1097(192) \32,770
Core i7 6700 3.40GHz 4(8) 65W 10006(2153) 816(171) \36,649
Core i7 6700K 4.00GHz 4(8) 91W 11110(2351) 888(180) \38,406
Core i7 7700 3.60GHz 4(8) 65W 10816(2347) 901(186) \33,580
Core i7 7700K 4.20GHz 4(8) 91W 12096(2581) 995(200) \33,979
Core i7 8700 3.20GHz 6(12) 65W 15490(2606) 1510(213) \40,470
Core i7 8700K 3.70GHz 6(12) 95W 16301(2732) 1523(218) \43,980
Ryzen 3 1200 3.10GHz 4(4) 65W 6789(1723) 477(129) \11,880
Ryzen 3 1300X 3.50GHz 4(4) 65W 7357(1865) 553(146) \13,770
Ryzen 5 1400 3.20GHz 4(8) 65W 8445(1721) 689(131) \17,365
Ryzen 5 1500X 3.50GHz 4(8) 65W 10446(1868) 809(154) \19,258
Ryzen 5 1600 3.20GHz 6(12) 65W 12335(1831) 1094(147) \22,980
Ryzen 5 1600X 3.60GHz 6(12) 95W 13319(1967) 1126(151) \24,980
Ryzen 7 1700 3.00GHz 8(16) 65W 13764(1770) 1403(151) \32,979
Ryzen 7 1700X 3.40GHz 8(16) 95W 14615(1871) 1532(155) \37,974
Ryzen 7 1800X 3.60GHz 8(16) 95W 15426(1961) 1617(163) \48,980