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今から始める録画サーバの運用方法とおすすめパーツ

  最終更新日:2017/06/07

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録画サーバの運用方法とおすすめパーツ

 これから録画サーバを作りたい人向けに運用方法とおすすめパーツを紹介する記事です。情報が古くならないよう、本記事は不定期に更新しています(最終更新日:2017年6月7日)。

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録画サーバの運用方法

 録画サーバは24時間稼働が基本となります。録画直前にスタンバイ状態から復帰させる運用方法もありますが、録画時刻とスタンバイ復帰時刻を連動させるのが難しいです。かなり面倒そうなので私自身行っていません。そのため、省電力PCで24時間稼働させるのが一番楽な運用方法だと思います。

 24時間稼働でも省電力PCならば1ヶ月の電気代を数百円で済ませることも可能です。省電力PCに関しては、「省電力PC向けおすすめハードウェア構成」と言う記事を書いています。省電力PCの組み方は、そちらの記事をご覧下さい。

 ハードウェア構成を最初に悩むところですが、録画ファイルの保存方法も事前に決めておくべきです。MPEG2-TSのまま保存するなら大容量のHDDが必要になります。H.264やH.265にエンコードして保存するならば、ある程度CPU性能が欲しくなるでしょう。また、CMカットなどの編集作業をどうするかも検討材料になるでしょう(CMカットはcomskipなどである程度自動化可能)。

 なお、見て消し目的で録画サーバを作る事はおすすめしません。その場合、安いレコーダーを購入したほうが断然楽です。自分で便利に使いやすくしていく過程を楽しめる人でないと長続きしないのではないでしょうか。

録画サーバのためのCPU

 24時間稼働することを考えるとCeleron、Pentium、Athlonなどの省電力なCPUがおすすめです。しかし、H.264などのエンコードを短時間で行いたい場合、Core i系をおすすめします。省電力なCPUだとエンコードに時間がかかります。

 出力解像度や設定パラメータにもよりますが、省電力CPUだとエンコードに実時間以上の時間がかかると思って下さい。毎日多数の番組をエンコードするつもりだと、場合によっては運用が難しくなります。

 参考までに、MPEG2-TSファイルからH.264へのFFmpegを使ったエンコード時間を紹介します。ファイルは、アニメ:甲鉄城のカバネリ 第1話(録画時間30分7秒)を使用しています。コマンドラインの実行内容は以下の通りです。固定品質(CRF値)は23固定にしています。

time ffmpeg -i 甲鉄城のカバネリ.ts -vcodec libx264 -s 1280x720 -threads 0 -acodec copy -crf 23 甲鉄城のカバネリ.mp4

 エンコード時間はCPUと出力解像度の違いで以下の様な結果になります。実行環境のOSは全てLinuxです。

CPU 出力解像度 エンコード時間
Celeron J1900 1024×576 30分13秒
1280×720 46分13秒
Core i5 6600 1024×576 8分0秒
1280×720 12分42秒

 Celeron J1900では、出力解像度1024×576の場合に録画時間とエンコード時間がほぼ等しくなっています。なお、CRF値を小さくすれば画質は良くなりますが、エンコード時間は伸びます。個人的にエンコード時間は録画時間未満にしたいので、Celeron J1900では出力解像度1024×576が限度かなと思います。

 Core i5のエンコード時間はCeleron J1900の約4分の1になっていることが分かります。これぐらい短いとストレスなくエンコードできます。

 新たに録画サーバを作る際に検討対象となりそうなCPUのベンチマークスコアを表にしてみました。ベンチマークスコアはCinebench R15 (Multi-Core)の結果です(CPU比較サイトであるcpu-monkeyより抜粋)。数値が高いほど性能が高いことを意味します。性能差は、先程のCeleron J1900とCore i5 6600のエンコード時間の比較結果とおおむね一致しています。赤字のCPUはKaby Lake世代のCPUです。

CPU Cinebench R15
(Multi-Core)
Athlon 5350 162
Celeron N3160 136
Celeron J3160 136
Celeron J1900 147
Pentium J3710 149
Celeron J3455 167
Pentium J4205 189
Celeron G3900 213
Celeron G3950 228
Pentium G4400 251
Pentium G4500 266
Pentium G4560 382
Pentium G4600 393
Pentium G4620 403
Core i3 7100 425
Core i3 7100T 371
Core i3 7300 436
Core i3 7300T 382
Core i5 6400 497
Core i5 6500 565
Core i5 6600 597
Core i5 6600K 600
Core i5 7400 564
Core i5 7400T 476
Core i5 7500 617
Core i5 7500T 528
Core i5 7600 666
Core i5 7600T 593
Core i5 7600K 685
Core i7 6700 816
Core i7 6700K 888
Core i7 7700 901
Core i7 7700T 805
Core i7 7700K 995
Ryzen 5 1500 1062
Ryzen 5 1600X 1126
Ryzen 7 1700 1403
Ryzen 7 1800X 1617

 最後にRyzenの数値も参考に入れましたが、録画サーバにはおすすめしません。RyzenはGPUが載ってないのでビデオカードが別途必要なためです。RyzenのAPU版が発売されたらおすすめできそうですが……。

 ベンチマークスコアとコストパフォーマンスでみると、録画サーバーにはPentium G4560が今のおすすめです。こちらはKaby Lake世代のCPUです。Skylake世代のPentium G4500と比較すると大幅に性能アップしていることが分かります。その割に値段はほとんど変わらないのでお得です。PCの組み方にもよりますが、24時間稼働させても電気代は月額400円前後だと思われます。

 なお、私が作成したCore i5 6600を使用した録画サーバ(SSD+HDD+PT3+PT2の構成)の消費電力は、アイドル時で35W以下、エンコード時は60Wから80Wになります。しかし、エンコードを頻繁に行ってはいないので、平均すると40W程度におさまっています。これだと電気代の月額が600円程度で済みます。

 CPUは性能や予算額によって決めることが多いと思いますが、運用方法や電気代なども考慮して決めるのが良いでしょう。

録画サーバに必要なパーツ

 ここからは録画サーバのおすすめパーツの紹介です。

TVチューナー

 よく知られた録画サーバソフトと利用可能なTVチューナーの対応表を作ってみました。

OS 録画サーバソフト TVチューナー
Linux foltia ANIME LOCKER PT3, PT2
PX-W3PE REV1.3, PX-Q3PE等
Linux Chinachu PT3, PT2等
Linux epgrec UNA PT3, PT2等
Windows TVTest+TVRock PT3, PT2,
PX-W3PE REV1.3, PX-W3PE V2.0,
PX-Q3PE等

 一番のおすすめはPT3(2016年3月販売終了)です。以前は約1万円で購入できたのですが、今はオークションサイトで2~3万円程度で取引されています。

 PT2(2011年7月販売終了)はオークションサイトで1万円前後で取引されています。オークションサイトを使いたくない方は、中古品販売のじゃんぱらなどにごくまれに出品されているかもしれません。私はここでPT2の中古品を4,980円で購入しました(2016年2月当時)。

 なお、PT2はPCIバスなので、マザーボードにPCI Expressバスしかない場合、上記の変換ボードを使用する必要があります。私も使用していますが、問題なくLinux PCで認識しています。変換ボードを使いたくない場合、今でもPCIバスのあるマザーボードを販売しているので、そちらを購入するのもおすすめです。

 しかし、PT2はアンテナケーブルの配線が面倒なので、お金に余裕があるのであればPT3を購入したほうが良いです。

 PT3の後継機を期待する声もありますが、PT3販売元のアースソフトが後継機を作る予定はないらしく望み薄です(ただしソースは2ch:アースソフト長田社長のメール画像)。多分PT4は発売されません。

 Windowsで録画サーバを作る場合、PT3やPT2にこだわる必要はありません。チューナーを制御するBonDriverに対応していれば基本的には何でも良いです。

 何でも良いと書いておきながら、2017年6月時点では新品での選択肢はほとんどありません。PLEX社製のチューナーカードがおすすめだったのですが、以前おすすめしていた製品のほとんどが売り切れてしまっています。

 現状新品で安価に購入できるのは2017年4月に発売されたばかりのPX-W3PE4のみです。こちらの製品はPCI Expressバスが電源供給のみ、USB経由でデータ通信する変わり種のチューナーカードです。Amazonのレビューを見る限り、安定性については当たり外れがあるようです。

 すでにAmazonでの取り扱いは終わっているようですが、その他のPLEXのおすすめのチューナーカードを紹介します。

 Windowsでおすすめするチューナーは、PLEXのPX-W3PE V2.0とPX-Q3PEです。PLEXのチューナーはB-CASカードスロットが装備されているので、ICカードリーダが必要ありません(Linuxではこのスロットを使用できないので注意)。以前は約1万3千円で購入できました。

 PX-Q3PEは地デジ×4、BS/CS×4の8チャンネルも使用できるチューナーです。以前は約2万円で購入できました。

 なお、PX-W3PEはREV1.3とV2.0があり、foltia ANIME LOCKER(以降foltia)ではREV1.3しか使えないのでご注意下さい。foltiaが対応しているチューナーの詳細は、Q&A(よくある質問)の「利用できるチューナーはどのようなものがありますか?」をご覧ください。

 あともうひとつ、USB接続のPX-W3U3 V2.0はWindowsのみで使用可能なチューナーです。この製品の利点は、外付けなのでどんなPCでも使用可能な点です。

 ここまでで紹介したチューナーがどのOSで利用可能か対応関係が分かりにくいので改めて表にしました。

チューナー Windows 10 foltia 一般的な
Linux
PT3
PT2
PX-W3PE REV1.3 ×
PX-W3PE V2.0 × ×
PX-Q3PE ×
PX-W3U3 V2.0 × ×
PX-W3PE4 × ×

 foltiaはLinux(CentOS 6.7ベース)ですが、独自にドライバがインストールされているため、一般的なLinuxで使用できないチューナーも利用可能になっています。

ICカードリーダ

 録画サーバにはB-CASカードを読み込むICカードリーダが別途必要になります。

 なお、PX-W3PEとPX-Q3PEはB-CASリーダが内蔵されているため、ICカードリーダは必要ありません。ただし、Linux用ドライバがないため、foltiaではこのスロットは使えません。

 以降、Linuxで動作確認がされているICカードリーダを紹介します。もちろん、Windowsでも動作します。

 あともうひとつ、未確認ですがCloud 2700RもLinuxで使用できるようです。

 こちらはCloud 2700の互換品のようです。

その他

 アンテナから分配器を通してTVチューナーに接続する場合、アンテナレベルがどうしても下がってしまいます。理論的には2分配器なら2分の1、4分配器なら4分の1に減衰します。

 それを出来る限り抑えるため、分配する前にブースターでアンテナレベルを上げておいたほうが良いです。

 ブースターはこちらをおすすめします。BS・CS・地デジの全てに対応しており、値段も手頃です。私も使用していますが、このブースターを使い始めてから悪天候時にBS・CSが受信できなくなる現象はなくなりました。

 混合器にも分波器にもなるこちらの製品もおすすめです。接続方向によってどちらでも使用可能です。

おまけ(おすすめ記事)

 Linux限定ですが、本ブログでは録画サーバ関連の記事を多数書いています。「録画サーバ記事まとめ」にてまとめています。よろしければ、そちらもご覧ください。