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ドラゴンクエスト11 3DS版の感想、ストーリーは良かったが……

 

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ドラゴンクエスト11 3DS版

ドラゴンクエスト11 3DS版

 ドラゴンクエスト11 3DS版の感想です。真エンディングまで攻略済みです。ネタバレが多少あるので、未攻略の方はご注意下さい。また、どちらかと言うと批判的な内容なので、ドラクエ大好きな方は不快に感じるかもしれません。

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はじめに

 私が過去プレイしたことのあるドラクエは1から8までです。ドラクエ11で久しぶりに復帰しました。

 本記事は3DS版の感想記事ですが、PS4版の情報も織り交ぜながらの内容になります。極力ネタバレを避けるように書いたつもりです。

 冒頭にも書いた通り、批判的な内容、主に苦言が多いので、ドラクエ大好きな方は不快に思うかもしれません。

ストーリーは面白いが……

 現在128時間もプレイしているので、大いに楽しみました。特に何が良かったかを考えると、ストーリーとキャラクターです。しかし、それ以外の部分は過去作と比較してハマる要素は少なかったです。錬金を最初は楽しんでましたが、クリア後は素材集めを含め正直面倒でした。

 また、ストーリーは良かったものの、クリア後の世界は蛇足にも感じられました。あれが本作の肝ではあるのですが……。

 ゲーム全体として見ると10点満点で7点の評価です。グラフィックの劣る3DS版と言うこともあり、ストーリーとキャラクターを除くと不満点のほうが多かったです。不満点として主なものを挙げると以下の通りです。

  • 過去のドラクエのオマージュと思われるイベントが多い
  • 新曲がほとんどなく、過去シリーズの使い回しが多い
  • 世界地図が始めから表示され、船旅等のワクワク感がなかった
  • フィールドがエリアに区切られ、箱庭を移動している感じがする
  • 過去のシリーズと比較しても世界が狭い

 真エンディングまで見ると、過去作からのオマージュとか、過去の曲の使い回しにも理由があることは分かったのですが、それにしても多すぎたかなと思います。特に過去の曲は要所要所で使うほうが、真エンディングの驚きや感動もより高まったのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

 世界の広さに関しては、そもそもPS4版と比較して3DS版はかなり狭いようです(3分の1ぐらい?)。ですが、歩けない山岳地帯が多いので、PS4版、3DS版に関わらず過去作と比較して狭いのは確かでしょう。

 3DS版はPS4版と違いグラフィックがいまいちなので、自分としては様々なマイナス要素に目をつぶれなかったのもあります。PS4版をプレイしていれば、フィールドで動くモンスター、フォトリアルな背景に感動したかもしれませんが、見た目に左右されない判断をすると厳し目の感想になってしまいました。

 元々Nintendo Switch版を購入する予定が、待ちきれずに3DS版を買ったのですが、2周目をやりたいとはあまり思えず、Switch版の購入も再検討することになりました。何か追加要素があれば考えるかもしれません。

プログラマー目線で見ると

 エリア分割は本作の一番駄目な点だと思います。この点は明らかにドラクエ8よりも退化しています。

 ドラクエもオープンワールドにしろとか無茶な事は言いません。町やダンジョンに入った時は切り替えが入っても良いですが、エリアが区切られていると遊んでいる気持ちも区切られます。

 実際問題として、私は終盤までエリア同士がどう繋がっているかうろ覚えでした。序盤で繋がってなかったエリアが終盤で繋がって、少々混乱したこともありました。

 ドラクエ8ではエリア分割がなくずっと歩いて移動できたので、これは単純に技術力不足だと思います。おそらく、PS4版でプレイヤーキャラの動きに応じて移動先のデータを先読みする仕組みをうまく入れられなかったのでしょう。それに引きずられて3DS版の3Dモードも同じエリア制にせざるを得なかったのではないでしょうか。

 ひょっとするとPS4版で背景をフォトリアルにしたことによりデータ量が増大したことがその原因なのかもしれません。開発初期にルーラ後のロードに30分かかっていたと言う話もあるので、当たらずとも遠からずだと思います(詳細は”ドラクエ11 ルーラ 30分”で検索して下さい)。

 ルーラの挙動がPS4版と3DS版で異なることも気になりました(詳細は上の動画が参考になります)。3DS版では過去シリーズと同じく天井のある場所でルーラは使えません。頭をぶつけてしまいます。

 しかし、PS4版ではダンジョンなど天井の有り無しに関わらず使えます。これではリレミトの意味がありません。これも技術的な問題なのではないかと思っています。

 この問題の原因は、天井の有無の判定をうまく入れられなかったためではないでしょうか?ダンジョンならほぼ無条件でルーラを禁止に出来ますが、町や城の複雑な構造物では判定がうまく出来なかった可能性があります。例えば、家の中は禁止でも屋上では可能、城門の下は禁止など、細かく判定する必要があります。プログラミング的にはプレイヤーキャラの上に特定のオブジェクトが存在するかどうか判定すれば良さそうな気もしますが……。

 もしくは、PS4版はエリア移動でロードが入るので、リレミトとルーラの2回もロードが入るのを嫌って、どこでもルーラ出来るようにした可能性もあります。

 ルーラの挙動の違いが果たして技術的な問題かどうかは分かりませんが、インターネット上の意見をいくつか読むと、PS4版に関して「バグかと思った」と書いている人もいたので、過去シリーズと比較してもおかしな変更だと思います。果たして、次回作ではどうするのでしょうか?

 カメラワークも問題があります。3DS版の場合、狭い場所に移動するとプレイヤーキャラにカメラが寄りすぎて、他に何も見えなくなります。目線が下過ぎるのも気になりました。PS4版も3D酔いの解決方法がかなりのサイトで紹介されていましたが、カメラワークの調整をどの程度行ったのか疑問が残ります。

 2Dモードは全体的に妥協の産物に感じました。戦闘画面で敵キャラが全く動かないのは一番の問題ですが、様々な点で手を抜いているように見えます。3Dモードと同じ様に遊べるように苦労した点は伺えますが、2Dモードの完成度(仕様)を最初にどこまで決めていたのか疑問が残ります。

 2Dモードを入れるならスーファミ世代が見て納得するレベル、ドラクエ6レベルに仕上げて欲しかった所です。そうでないと、やる意味はあまり無かったのではないでしょうか。2Dモードは表現力が劣り、マップが狭く、サクサク進める利点以外に存在価値を見い出せませんでした。

本当のドラクエ11はどれ?

 本作はPS4版、3DS版の3Dモードと2Dモードの3バージョンあります。

 東洋経済の上記記事によると、当初PS4のみの予定が採算が取れるか分からないので3DS版も開発することになったそうです。3DS版の試作品として上下に3Dとドット絵の両方を表示し、その案が採用されたと言う流れです。

 開発の流れとしては納得する部分もありますが、1つの作品が全く別の形で存在するのは、見方を変えるとドラクエ11を1つに定義できなかったと言う事でもあります。

 ゲーム機によって性能や表現方法が違うので全く同じものにはならないのは分かりますが、PS4版にあって3DS版にない要素、あるいはその逆があるのは、少し問題があるように思います。本作はリメイクではなく完全新作なので、極力統一すべきでした。

 特に「時渡りの迷宮」が3DS版限定なのは疑問が残ります。「時渡りの迷宮」では合言葉を集めて過去のドラクエ世界に行くことが出来ます。過去の懐かしいキャラクターも登場し、クエストの内容によっては歯ごたえのあるものも多く、結構楽しめました。

 「時渡りの迷宮」の最後のボスは真のラスボスとも関係があり、PS4版に無いのはおかしいと思います。

 「時渡りの迷宮」はすれ違い通信の要素として作られたものですが、実はすれ違わなくてもローカルで攻略可能です。と言うことは、やりようによってはPS4版でも実装出来たはずです。

 3つのバージョンのドラクエ11が作られた理由は、ファンサービスの意味合いもあると思いますが、開発陣が本当のドラクエ11を固めきれなかったのも一因であると考えています。

 ファンに向けて「あなたの好きなバージョンをプレイして下さい」と言うのは聞こえが良いものの、ある意味無責任にも思えます。結局、どれが本当のドラクエ11なのでしょうか?

安定を求めたドラクエと次回作への課題

 ドラクエ11では乗り物に乗れたり、クエストを受けて解決したり、スキルパネルがあったりと新しい要素はあったものの、乗り物を除くと他のゲーム作品で見たような要素ばかりな気がして、挑戦的な要素はほぼ無かったと思います。

 ドラクエ9でのマルチプレイやすれ違い通信、ドラクエ10でのオンライン化に相当するものがドラクエ11にあったでしょうか?

 PS4版のフォトリアルな背景がそうだと言う人もいるかもしれませんが、見た目ではなくゲームの新規性も欲しかった所です。スマホのゲームが流行る時代なので、真新しさよりも安定性のほうが重要なのかもしれませんが……。

 例えば、坂口博信の去った後のファイナルファンタジーシリーズは、過去の作品の思想やデザインを受け継いで、様々な批判を受けつつも新しい挑戦をし続けています。

 ドラクエ11は堀井雄二、鳥山明、すぎやまこういちの3人が揃う最後の作品になるのではないかと言われています。そのため、ドラクエ11はドラクエの集大成のような作品になったのかもしれません。

 世代交代の波はドラクエシリーズにも否応なく押し寄せています。「ドラクエらしさ」とは何かを堀井雄二、鳥山明、すぎやまこういちの3人が揃っているうちに問い直しておかないと、3人のうちの誰かが抜けた段階で空中分解してしまう可能性もあります。

 「ドラクエらしさ」を次世代の製作者がどう解釈して受け継いでいけるかが、次回作以降の成功にかかっているのではないでしょうか。いずれにせよ、次回作では新時代のドラクエを切り開くような表現を見せる必要があるように思います。