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原作全巻再読して 映画「サクラダリセット 後篇」を観に行きました

 

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サクラダリセット 後篇

 映画「サクラダリセット 後篇」を観に行った感想です。普段は公開初日に映画を観に行くのですが、原作を再読してからと思っていたら、公開最終日頃まで読み終わるのにかかってしまいました。

 本記事ではあらすじやキャラクターについて触れていますが、致命的なネタバレは極力書かないようにしています(ネタバレ要素は別ページに分けました)。

感想

 普段の映画感想記事ではあらすじ等を書いてから感想を書くのですが、今回はいきなり書くことにします。

 映画の評価は、10点満点の7点です。これは前篇より1点下げました。面白いとは思いましたが、前篇より駆け足でストーリーが進み、説明セリフも多く難解である点が欠点だと感じました。

 映画は原作の重要なシーンを上手くまとめていると思います。後篇は主に原作の最終2巻分をカバーする内容です。原作では主要キャラクターの心情が丹念に描かれ、ストーリーを難しいと感じることはありませんでした。

 しかし、映画ではかなりストーリーが圧縮されており、それぞれのキャラクターの行動理由が分かり難くなっている気がしました。特に相麻菫の動きは分かり難かったのではないでしょうか。他には宇川紗々音は後篇に唐突に出てきたので、彼女の能力やなぜケイに協力したかは分かり難かったと思います。

 その様な問題点はあるものの、映画として良くここまで分かりやすく作ったなと言うこともできます。あくまで映画としてですが……。原作の2巻分を2時間でまとめるのはこれが限界だと思います。

 不思議な能力が様々登場する作品ですが、あからさまにCGと分かったのはカラオケボックスのシーンぐらいだったでしょうか。能力の表現は違和感なく伝わりました。特に中野智樹の声を届ける能力は分かりやすかったです。逆に宇川紗々音の世界を変える能力はもう少し工夫が欲しかった所です。

 後篇で特に印象に残った登場人物は浦地正宗です。原作ではあそこまでぶっ飛んだキャラクターではなかったのに、及川光博が膨らませて敵役のイメージを植え付けてくれました。本作は大人しい人物が多いので、あれぐらいぶっ飛んでいたほうが映画としては良かったと思います。

 後篇で一番好きなシーンは、ケイが母親に会うシーンです。母親役の八木亜希子は本職が俳優ではないながらも自然な演技で好感が持てました。

 前篇・後篇通して言える事は、最近の漫画やアニメを原作とした作品の多くが原作のイメージを壊すことが多い中、配役や演技、舞台、美術なども原作のイメージを壊さないように配慮されていた点は良かったです。

 興行収入的には成功とは言えないようですが、4時間でサクラダリセットの世界を描き切った良い作品でした。この作品でサクラダリセットに興味を持たれた方は、ぜひアニメ版や原作にも触れてみて下さい。決して後悔しないはずです。

原作との違い

 映画と原作との違いを簡単にまとめてみました。

  • 物語開始時点の主人公達の学年が異なる、原作:高校1年、映画:高校3年
  • マクガフィンが出てこない
  • 非通知くんが登場しない
  • 野ノ尾盛夏が登場しない
  • 原作の4、5巻の内容をばっさりカット

 他には、映画は時間の関係上、事件を中心に場面展開していく描かれ方でしたが、原作は会話劇中心の作品です。「私たちの中に、アンドロイドがいると仮定しましょう」に代表される、哲学的だったり、禅問答のような会話が作品中何度も交わされます。特に浅井ケイと相麻菫の会話に色濃く出ています。

 また、不思議な能力が出てくるため、能力で事件を解決しているように見えて、ほとんどの事件は話し合いで解決しています。映画で出てきた”カルネアデスの板”を使った説得が良い例です。

 2クールで描かれるアニメ版は原作にほぼ忠実に描かれているので、原作全7巻を読むのが大変だと感じる方は、アニメ版の会話シーンをよく見ておくと良いかもしれません。

パンフレット

サクラダリセット 後篇 パンフレット

サクラダリセット 後篇 パンフレット

 価格は税込720円、サイズはA5(182×257mm)です。全34ページ、全ページカラーです。内容は次の通りです。

  • 前篇のあらすじ
  • 後篇のあらすじ
  • キャストインタビュー
    • 野村周平 - 浅井ケイ
    • 黒島結菜 - 春埼美空
    • 平祐奈 - 相麻菫
    • 健太郎 - 中野智樹
    • 玉城ティナ - 村瀬陽香
    • 恒松祐里 - 岡絵里
    • 及川光博 - 浦地正宗
  • その他のキャストプロフィール
  • 劇中場面写真
  • 監督 深川栄洋 インタビュー
  • 撮影 清久素延
  • 照明 三善章誉
  • 衣装 浜井貴子
  • 美術 黒瀧きみえ
  • プロダクションノート
  • 原作小説、関連作品紹介

 前篇と後篇で合わせて1つのパンフレットになるように作られていると感じました。

 実は公開終了間際の5月26日に観に行ったせいで、パンフレットが売り切れで焦りました。何とか別の映画館に慌てて行って事なきを得ました。

 映画の感想記事としては以上ですが、次ページで映画の結末について考察しています。完全にネタバレになってしまうので、映画を見終わった方だけ読んで下さい。