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映画「劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~」を2回観た感想

  最終更新日:2018/04/29

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~

 映画「劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~」を観に行きました。1回目は公開初日、2回目は3週目の舞台挨拶込みの回を観ました。

 本記事はTVシリーズ2期を見ていることを前提で書いています。ネタバレがあるのでご注意下さい。

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2回観た理由

 2回観た理由は、映画の内容が良かったからではなく、1回目でストーリー構成に不満を感じ、内容を再確認したかったからです。実は1回目を観終わった後にブログ記事も全て書き終わってましたが、公開を保留していました。

 見直すことを決めた後に3週目の舞台挨拶込みの回の予約席がまだ残っていたので、川崎チネチッタで2回目を観ることにしました。

 2回目はストーリー構成を確認しながら見ていましたが、隣の席の男性が途中泣いており、あくまで客観的に見ていた自分とのギャップを感じました。よく聴くと満席の劇場の中で何人かすすり泣く声がしました。

ストーリー構成について

 1回目を観た時、TVシリーズ2期を見終わった直後に続けて映画を観たので、TVシリーズとのストーリー構成の違いが異様に気になりました。

 特に気になった点は次の3点です。

  • 夏合宿の時系列を入れ替えた点(夏休みから文化祭後に移動)
  • 全国大会後に久美子と姉の麻美子が会うシーンをカットした点
  • あすかが土手でユーフォを演奏するシーンをエンディングに持ってきた点

 夏合宿の時系列入れ替えは、かなり大胆な変更です。鎧塚みぞれのエピソードを丸々カットした事が影響しています。夏合宿で久美子があすかのユーフォの演奏を聴くシーンが必要だっための措置です(パンフレットの監督の対談に書かれています)。

 2回観て、時系列入れ替えはそこまで気にならなくなっていましたが、久美子が寝られなかった理由が枕が合わなかった事になっていた点は違和感が残りました。ある意味、久美子が神経質な性格に変わってしまっています。

 なぜ全国行きが決まった後に合宿するのかとか、他にも違和感が生じているので、時系列を入れ替えずに何とかならなかったのかなと思います。

 次に、全国大会後の久美子が姉と会うシーンをカットしたのは納得が行きません。姉との気持ちのすれ違いが解消されるあのシーンが無かったことは疑問です。そもそも、原作には無いシーンではあるのですが、TVシリーズを見ているだけに肩透かしを食らった感じでした。

 最後に、エンディングに土手でのユーフォ演奏シーンを持ってきた点についてです。あれが良かったと言う人も多いと思います。しかし、1回目に観た時、卒業式から土手に場面が移ることで、自分の気持ちもその場面を最初に見た時の気持ちに戻ってしまいました。TVシリーズの時は卒業式から教室のユーフォニアムを写すだけでうまく場面転換できていたのに、見せ方が下手だと感じました。

 フルで聴かせたいなら、最初の土手のシーンの時で良いだろうと言うのが私の気持ちです。あの曲は重要な曲なので、劇中でしっかり聴かせたほうが良かったのではないでしょうか。別に改めてTVシリーズと同じようにエンディングでも聴かせても良いわけですし。

 ここまでストーリー構成について苦言を書いてきましたが、2回観て思ったのは、最初から最後まで集中して見ることができたので、全体で考えると構成は良かったと思います。

 しかし、TVシリーズを見た人の気持ちを軽視してしまった点、「久美子とあすか」をストーリーの軸にしているにも関わらず、最後は「あすか」中心のストーリーに見えてしまった点が残念な所です。

感想

 改めて感想です。色々と不満点はありましたが、良い作品でした。

 TVシリーズ2期の単純な総集編にせず、「久美子とあすか」を軸にして無関係なエピソードを排除した事は成功だったと思います。

 劇場1作目は演奏シーンの大幅追加があったものの単なる総集編でした。1作目は演奏を聴かせるための作品、2作目はストーリーを魅せるための作品だと思いました。

 北宇治高校のメンバーで私が一番好きなキャラクターはあすかなので、個人的にもあすかに焦点が当たったのは嬉しかったです。新作カットでは、あすかが初めてユーフォニアムに触れるシーン、家でユーフォニアムのカタログ用紙に触れるシーンが特に印象に残りました。

 私は泣きませんでしたが、2時間弱の劇場版として感動できる作品になっている点は評価が高いです。

 私の最終的な本作の評価は、10点満点の8点です(実は最初に書いた記事では6点でした)。色々と不満点があるので満点にはできませんが、何度も見たくなる作品でした。

フォトセッション

 映画が始まる前に写真撮影(フォトセッション)の機会がありました。紙芝居風のキャラクターが登場し、スマホ等で映画の画面を撮影して良いと言うものでした。

 1週目は1年生カルテットが登場しましたが、こういう時に限ってスマホを持って来ておらず、残念なことをしました。

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~ フォトセッション 第3週

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~ フォトセッション 第3週

 3週目は3年生トリオでした。4週目以降も変わるそうですが、どうなるか不明です。

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~ フォトセッション 第3週 トリミング

フォトセッション 第3週 トリミング画像

 可能な限りスクリーン部分のみを抽出し、縦横比率を16対9に加工してみました。

 毎週フォトセッションの内容は変わるそうで、手を変え品を変え大変だなと思いました。

パンフレット

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~ パンフレット

劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~ パンフレット

 価格は税込み千円、サイズは横長のA4サイズ(210×297mm)です。全ページカラーです。表紙は見開きで久美子とあすかが顔を合わせる絵柄になっています。

 劇場1作目のパンフレットと比較して、初見の印象は何か物足りないと思いました(第1作目のパンフレットに関してはこちらの記事参照)。声優インタビューの人数が減っていたのと場面写真の掲載も少なく感じました。

 声優インタビューは以下の方々です。

  • 黄前 久美子(声:黒沢ともよ)
  • 田中 あすか(声:寿美菜子)
  • 加藤 葉月(声:朝井彩加)
  • 川島 緑輝(声:豊田萌絵)
  • 高坂 麗奈(声:安済知佳)
  • 中世古 香織(声:茅原実里)
  • 小笠原 晴香(声:早見沙織)
  • 塚本 秀一(声:石谷春貴)
  • 黄前麻美子(声:沼倉愛美)
  • 滝 昇(声:櫻井孝宏)

 他に監督:小川太一、総監督:石原立也、シリーズ演出:山田尚子の対談、原作:武田綾乃インタビューなどもありました。

 今回のパンフレットはスタッフコメントに力を入れている印象でした。前回のパンフレットでは美術、吹奏楽部全メンバー紹介など見所がありましたが、普通のパンフレットになってしまったなと感じました。もう少し濃い内容が欲しかった所です。

舞台挨拶

 上映終了後、黄前久美子訳の黒沢ともよ、田中あすか役の寿美菜子が登壇して舞台挨拶が行われました。以降は10月14日、川崎チネチッタでの模様です。

 作品の感想、「あすかと久美子はあれから会うのか?」、Twitterの質問「黒沢ともよと寿美菜子の第一印象はどうだった?」といった内容で進みました。

 2人の再会について、黒沢予想では「1年ぐらい会わないのでは?偶然出会って欲しい」とのことでしたが、続編小説でその辺りも描かれているので、ご本人がいつ知ることになるのかなという所です。

 黒沢ともよと寿美菜子の初共演は某アイドル作品とのことでしたが、調べたところアイカツ!のようです。高校生と21歳の時と言うことで、黒沢ともよが家族に送り迎えされていた話が出ていました。

 一番盛り上がったのは、司会のポニーキャニオンの方がチュロスを食べる話でした。偉い人にすすめられて出て来るチュロスをずっと食べ続けていて、加藤葉月役の朝井彩加に涙を流しながら「大変なんですねサラリーマンは」と言われたという話でした。

 25分ぐらいでしたが、密度の濃い舞台挨拶でした。

リズと青い鳥

 2018年4月21日に”響け!ユーフォニアム”の劇場3作目となる映画が公開予定です。鎧塚みぞれと傘木希美が中心の物語です。

 原作は上下巻に分かれているので個人的にはTVシリーズで描いて欲しい気持ちもあります。原作の内容は久美子が2年生に進級した後の話です。北宇治高校吹奏楽部の話なので、そこから2人のキャラクターに焦点を当てて映画では描くのだと思います。

 上下巻を既に読みましたが、素晴らしい内容でした。映画も楽しみです。

 おそらく、劇場4作目は久美子が3年生の時の話になるのだと思います。そちらも楽しみです(訂正:2年生の時の話しになるようです)。

 ”響け!ユーフォニアム”の世界はまだまだ続きます。原作と映画の続編を来年まで期待して待つことにします。

2017年12月15日追記)
『リズと青い鳥』の特報第2弾がYoutubeで公開されました。