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映画「レヴェナント」の疑問点を解説します

  最終更新日:2016/08/18

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映画「レヴェナント」解説

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グリズリー襲撃シーンの撮影方法は?

 グラスがグリズリーに襲われるシーンは超リアルで、本当に襲われているようにしか見えませんでした。プロダクションデザイナーのジャック・フィスクのインタビュー記事によると、このシーンのグリズリーは完全なCGです。当初は本物の熊を使おうと考えていましたが、訓練され飼育されている熊は太り過ぎで野生の熊には見えず断念しています。

 では、どの様に撮影したのでしょうか。ディカプリオがハーネス(安全ベルトの一種)を着用し、スタントチームがケーブルを引っ張って彼を引きずります。また、ブルースーツを着たスタントマンの男性がグリズリー役として頭を踏みつけたり、噛み付いたりといった演技をしています(上の動画はスタントマンのインタビュー)。その後、スタントマンの男性をCGのグリズリーに差し替えています。

 本作ではCGはほとんど使われていないそうのなのですが、この他にはバイソンの群れはCGです。

 他には、おそらくグラスが馬に乗って崖から転落するシーンもCGを駆使したものと思われます。ちなみに、転落した馬の死体から内臓を取り出して暖を取っていましたが、あの馬は作り物です。内臓も含め、ラテックスの樹脂と毛で作られています。

 今回調べて分かった事は、CG(Computer Graphics)と言う言葉は古いということです。現在はCGI(Computer Generated Imagery)が主流のようです。CGIとはコンピューター・グラフィックスを応用して映像を作ると言う意味の言葉です。本物にしか見えない映像表現はCGIの技術によって可能になっています。しかし、いまだに映画のグリズリーが偽物だとは思えません。

グラスが最後に助かった理由

 検索で本記事にたどり着く人がほとんどですが、グラスが最後に助かった理由が分からない人が結構いるようです。言葉での説明はなかったので、確かに分かりにくかったと思います。

 グラスが助かったのは、アリカラ族の酋長(しゅうちょう)の娘であるポワカをフランス人から助けたからです。アリカラ族はアメリカと敵対しているので、フィッツジェラルドは問答無用で殺されました。その直後に現れた馬に乗ったインディアン女性がポワカです。フランス人から女性を助けたシーンで顔を覚えていないと「誰だっけ?」となったと思います。顔を覚えていれば、娘を助けたことの礼としてグラスを無視した事が分かります。しかし、次に会った時にどうなるか分からないような雰囲気を醸し出していましたが。

 原作小説では娘自体が登場しないので、映画独自のラストシーンです。そもそも、前述した通りラストに関しては史実とは異なります。

フィッツジェラルドに仕掛けた罠

 これも検索でよく本記事にたどり着く人が多い件です。グラスがヘンリー隊長に「やつには罠を仕掛けた」と言った、罠の正体は何なのでしょうか。

 この時点でグラスはフィッツジェラルドに再会していないため、物理的な罠を仕掛けられるはずがありません。そのため、私の解釈では、この罠は精神的なものだと考えます。おそらく、復讐心に駆られたグラスに追われる恐怖心を「罠」だと言っているのだと思います。その恐怖心によりフィッツジェラルドがミスを犯すことが、グラスの頭にあったのかもしれません。

 これはあくまで私の解釈なので、いずれにしろ映画を観た人の判断に委ねるべきことだと思います。

その他の疑問点

 グラスが息子のホークの死体に苔か葉っぱのようなものを咥えさせていました。このシーンはポーニー族の風習と思われます(本当の風習かどうかは不明)。アリカラ族がホークの死体を発見した時に口元を見たことで、ホークがポーニー族であることが分かったと言うわけです。

 調べても分からなかったシーンがあります。グラスがバイソンの肝臓を分け与えてもらったポーニー族の男がハイカックです。彼がグラスに「このままだと死ぬぞ」と言い、その後に治療らしきことを行っています。傷からウジが湧いていたか腐り始めていたか、グラスは危険な状態だったと思われます。グラスを枝で囲んでいぶしているように見えましたが、多分治療だったのでしょう。英語サイトも調べたものの、このような治療法があったのか分かりませんでした。これも映画的ご都合主義でしょうか。原作小説ではスー族の呪術師に治療してもらうので、その代わりだったことは確かだと思われます(小説でも怪しげな治療法ではありましたが)。

2016年5月11日追記)コメント欄にてご指摘があり、この治療と思われるシーンはインディアンの伝統的な儀式であるスウェット・ロッジ(発汗小屋)であることが判明しました。スウェット・ロッジによって、治療と心と身体の浄化を行うそうです。煙でいぶしているのだと思っていたのですが、あれは蒸し風呂、つまりサウナでした。煙だと思っていたものは、熱した石により雪が解けて発生した蒸気です。ただし、蒸気は非常に高温で、初心者は水膨れが出来、口と鼻を手で覆わなければ呼吸もままならないと言うことなので、生易しいものではないようです。

最後の英文メッセージ

 「レヴェナント 最後の英語」の検索ワードでこのページに来る方がいたので補足しておきます。最後に表示される英文のメッセージが何なのかが気になっているのだと思います。

 あれは20世紀フォックスの海賊版防止メッセージです。内容は「どれだけの人数と時間の雇用創出ができたか」と言ったものです。要するに、「多くの人が関わって作ったのだから不正コピーするんじゃない!」と言うことです。実際に効果が出ているか不明ですが、2012年から始まっています。

 詳細は映画.comのこちらの記事をご覧ください。

参考ページ

 一部ですが、参考にしたページを紹介します。いずれも英語ページです。